ローレンシウムとは【アクチノイド系】

2021年9月26日

ローレンシウム(Lr|Lawrencium)は原子番号103、同位体の半減期は27ミリ秒(251Lr)~10時間(263Lr)半程度の不安定な元素で、主に研究目的での利用のみされており、常温での色や相は不明確ですが、固体であると推定されています。重イオン線型加速器を使用するなどして生成可能です。

 

元素「ローレンシウム」の詳細

ローレンシウム

元素の詳細な情報、数値は次の表の通りです。

元素名

(英語)

ローレンシウム

(lawrencium)

原子番号・原子量原子番号103・原子量262
色・相

融点

沸点

約1627℃(推定)

ー℃

電気陰性度
イオン化エネルギー第1: 443.8 kJ/mol
第2: 1428.0 kJ/mol
第3: 2219.1 kJ/mol
同位体Lr251からLr263
イオンLr3+

 

ローレンシウムの物理的性質

研究、議論されている最中ですが、構造は六角形の最密結晶構造(c/a=1.58)、同族元素「ルテチウム」に近い性質を持つ可能性があると考えられています。

 

ローレンシウムの化学的性質

加速器で生成されて、すぐに半減期を迎えてしまう超ウラン元素のため、性質の詳細は分かっていません。天然には存在しない物質で、ローレンシウムLr257同位体として最初に発見されています。

 

ローレンシウムの電子軌道は「5F147S27P1」または「5F146D17S2」とされており、同位体が14種近く存在。

 

酸化状態は+3とされています。

 

ローレンシウムの化学反応

ローレンシウムが生成される過程は

252[98Cf] + 11[5B] → 263[103Lr]* → 258[103Lr] + 5・1[0n]

または

243[95Am] + 18[8O] → 261[103Lr]* → 256[103Lr] + 5・1[0n]

とされ、他にも同位体によって生成方法に差があるかもしれません。

 

用途について

半ば空想科学の域にも入りますが、原子番号の大きい物質は、人間の再現できる環境レベルでは、半減期を迎えるのが早すぎますが、常識はずれな高圧・高温、高圧・低温下では安定する可能性もあります。

 

たとえば、ブラックホールを利用して移動したり、エネルギーを生み出したりできるとして、ローレンシウムよりも大きい元素があれば、そうした超空間で安定になり、何かできるようになるかもしれません。

 

今現在の人類にとっては早すぎて無意味でも、遠い未来、遠い宇宙ではその場所での生活を維持するのに欠かせない存在になるかもしれないのです。

 

運良く地球外知的生命体に出会ったとしても、その生命体と意思疎通する時にローレンシウムが媒体として必要になるかもしれないのです。

 

こうした基礎研究は、科学の発展に必須です。

 

周期表

Posted by 化学担当