マグネシウムとは
マグネシウム(Mg|Magnesium)は、原子番号12、原子量24、常温(25度)で銀白色の固体・アルカリ土類金属です。空気中の酸素と反応して酸化被膜を作りやすいですが、常温では水を反応しないため、灯油などの保存液中に保管する必要はありません。
元素「Mg」の詳細
元素の詳細な情報、数値は次の表の通りです。
元素名 (英語) | Mg (Magnesium) |
原子番号・原子量 | 原子番号12・原子量24 |
色・相 | 銀白色固体 |
融点 沸点 | 650℃ 1091℃ |
電気陰性度 | 1.31 |
イオン化エネルギー | 第1: 737.7 kJ/mol 第2: 1450.7 kJ/mol 第3: 7732.7 kJ/mol |
同位体 | 24Mg、25Mg、26Mg |
イオン | Mg2+ |
物理的性質
常温では固体、そのままむき出しで保管すると酸化被膜ができますが、爆発的に反応するようなことは基本起きません。粉末状のマグネシウム単体は水と反応するため、状態によって専門家の指示が必要です。
常時性のある六方晶系結晶で、銀白色ですが若干渋く深い銀色で、目視では白色を感じることはできないでしょう。比較的軽量な金属で、合金の第一金属として使われることが多く、アルミニウム合金として航空機や医療機器、スポーツ用品などにも使用されています。
方解石の一種「菱苦土鉱(りょうくどせき|マグネサイト)」を精錬して単体のマグネシウムを得られます。マグネサイトはユーラシア大陸東北、ロシア、中国などに鉱石資源として大量に存在しています。
化学的性質
マグネシウムと熱水が反応すると水素と水酸化マグネシウム(天然鉱物としては「水滑石(すいかっせき|ブルース石)」とも呼べる)が発生します。
2H2O + Mg→Mg(OH)2 + H2
2Mg(OH)2+CO2→MgCO3・Mg(OH)2+H2O
水酸化マグネシウムは二酸化炭素と結合して、水と塩基性炭酸マグネシウムを生成します。
Mg(OH)2→MgO+ H2O
また、水酸化マグネシウムの固体を350度まで加熱すると酸化マグネシウムMgOが発生します。
中学校では以下のようなシンプルな化学反応式を学びます。
2Mg+O2→2MgO
概念を学ぶためのもので、実験室内ではマグネシウムが空気に触れていれば常にこの反応が起こるため特別な用意は必要ありません。学校で行うマグネシウムの燃焼実験では、銀白色のマグネシウムが、白色の酸化マグネシウムになると学びます。
マグネシウムを燃焼させる際には400度程度の熱源が必要です。燃焼中は1,000度を超えるため、燃焼中の発光は直視してはいけません。
※参考:https://chemicalsafety.ilo.org/dyn/icsc/showcard.display?p_card_id=0289&p_version=1&p_lang=ja
天然資源としてのマグネサイトは、その主成分が炭酸マグネシウムMgCO3として知られています。
MgCO3→MgO + CO2
炭酸マグネシウムを650度以上で加熱すると、熱分解しMgOが生成されます。500度前後の温度から二酸化炭素が放出され始めます。
※出典1:https://patents.google.com/patent/WO2019142353A1/ja(炭酸カルシウムの熱分解温度は約900℃、炭酸マグネシウムの熱分解温度は約650℃)
※出典2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nikkashi1972/1979/1/1979_1_57/_article/-char/ja/