リチウムとは

2021年9月26日

リチウム(Li|Lithium)は原子番号3、常温25℃で銀白色固体のアルカリ金属です。電池の名称で聞くことの多い物質で、再充電可能なリチウムイオン電池としても活用されますが、存在料の少ない同位体6Liはトリチウム(三重水素|3H)を製造するのに必要な原料です。

 

元素「リチウム」の詳細

リチウム

元素の詳細な情報、数値は次の表の通りです。

元素名

(英語)

リチウム

(Lithium)

原子番号・原子量原子番号3・原子量6.941
色・相銀白色・固体

融点

沸点

180.54℃

1330℃

電気陰性度0.98
イオン化エネルギー第1: 520.2 kJ/mol
第2: 7298.1 kJ/mol
第3: 11815.0 kJ/mol
同位体6Li、7Li(92.5%)
イオンLi+

 

リチウムの物理的性質

地球上の海水に2,300億トン近くリチウムが溶け込んでいるとされ、資源量には不安はない(ボリビアのウユニ塩湖が最大埋蔵量)とされています。特にプランクトンなどの水棲生物が濃縮するので、プランクトンを大量に食べる人がいる場合は、摂取量に注意が必要です。

 

主な用途は

  • 陶器
  • ガラス
  • 一次電池
  • 二次電池
  • グリス(潤滑)

で、あまり単体を見ることはないですが、身近な場所に相当量リチウムがこっそり使われています。炎色反応は紅色(670.8nm、610.4nm、460.3nm)を呈します。

 

比較的柔らかい金属(リチウムの硬度0.6)ですが、ナトリウムよりは硬いです。滑石(Mg3(Si4O10)(OH)2)が硬度1で、爪でひっかく程度で傷をつけられるため、リチウムも爪で傷をつけることは容易いでしょう。

 

リチウムの化学的性質

リチウムは、ナトリウムやカリウムよりは反応性が劣るが、空気中に一定量の水分(H2O)があると、窒素と反応して窒化リチウムができ、加熱すれば酸化リチウムが生成されます。

【窒化リチウムの合成】

6Li + N2 → 2Li3N

【アンモニアの合成】(不活性ガス&常温下で水と反応)

Li3N + 3H2O → 3LiOH + NH3

【酸化リチウムの合成】

4Li + O2 → 2Li2O

【炭酸リチウムの合成経路】(出典:海水資源の有効利用-炭酸リチウムの晶析特性-

LiOH → Li+ + OH

CO2 + 2OH → CO32- + H2O

2Li+ + CO32- → Li2CO3

Li2CO3 + CO2 + H2O → 2Li+ + 2HCO3-

または

Li2O + CO2 → Li2CO3

そうはいってもリチウムは反応しやすい物質ではあり、酸化リチウムは二酸化炭素を吸収する形で応用可能なため、目立たない(学校であまり取り扱わない)にしても有効活用の可能性は広くあります。

周期表

Posted by 化学担当