リチウムとは
リチウム(Li|Lithium)は原子番号3、常温25℃で銀白色固体のアルカリ金属です。電池の名称で聞くことの多い物質で、再充電可能なリチウムイオン電池としても活用されますが、存在料の少ない同位体6Liはトリチウム(三重水素|3H)を製造するのに必要な原料です。
元素「リチウム」の詳細
元素の詳細な情報、数値は次の表の通りです。
元素名 (英語) | リチウム (Lithium) |
原子番号・原子量 | 原子番号3・原子量6.941 |
色・相 | 銀白色・固体 |
融点 沸点 | 180.54℃ 1330℃ |
電気陰性度 | 0.98 |
イオン化エネルギー | 第1: 520.2 kJ/mol 第2: 7298.1 kJ/mol 第3: 11815.0 kJ/mol |
同位体 | 6Li、7Li(92.5%) |
イオン | Li+ |
リチウムの物理的性質
地球上の海水に2,300億トン近くリチウムが溶け込んでいるとされ、資源量には不安はない(ボリビアのウユニ塩湖が最大埋蔵量)とされています。特にプランクトンなどの水棲生物が濃縮するので、プランクトンを大量に食べる人がいる場合は、摂取量に注意が必要です。
主な用途は
- 陶器
- ガラス
- 一次電池
- 二次電池
- グリス(潤滑)
で、あまり単体を見ることはないですが、身近な場所に相当量リチウムがこっそり使われています。炎色反応は紅色(670.8nm、610.4nm、460.3nm)を呈します。
比較的柔らかい金属(リチウムの硬度0.6)ですが、ナトリウムよりは硬いです。滑石(Mg3(Si4O10)(OH)2)が硬度1で、爪でひっかく程度で傷をつけられるため、リチウムも爪で傷をつけることは容易いでしょう。
リチウムの化学的性質
リチウムは、ナトリウムやカリウムよりは反応性が劣るが、空気中に一定量の水分(H2O)があると、窒素と反応して窒化リチウムができ、加熱すれば酸化リチウムが生成されます。
【窒化リチウムの合成】
6Li + N2 → 2Li3N
【アンモニアの合成】(不活性ガス&常温下で水と反応)
Li3N + 3H2O → 3LiOH + NH3
【酸化リチウムの合成】
4Li + O2 → 2Li2O
【炭酸リチウムの合成経路】(出典:海水資源の有効利用-炭酸リチウムの晶析特性-)
LiOH → Li+ + OHー
CO2 + 2OHー → CO32- + H2O
2Li+ + CO32- → Li2CO3
Li2CO3 + CO2 + H2O → 2Li+ + 2HCO3-
または
Li2O + CO2 → Li2CO3
そうはいってもリチウムは反応しやすい物質ではあり、酸化リチウムは二酸化炭素を吸収する形で応用可能なため、目立たない(学校であまり取り扱わない)にしても有効活用の可能性は広くあります。